建築家との家創りを選んだ理由は、一般の住宅メーカーで建てられるような家には住みたくなかったから、の一語に尽きます。人とは違った家、建てていく過程を楽しめる家を求めた結果、"建築家"に行きついたという感じです。
じつは以前に一度家創りを経験していまして…。その時には、私たちの意見をかなり採り入れてもらった家創りだったのですが、後からああすればよかった、ここは失敗だったという思いが湧いてきてしまいました。そこで、今度は設計のプロである建築家に、押えるべきポイントはしっかりと押さえてもらいたいという期待がありました。
始まってみると、ハウスメーカーなどの家創りとは正反対と言っていいほど違いました。
私たちが「こうしたい」と言っても、ネオジオさんが「ダメ」と言えば、そのアイデアはボツ。正直、却下されると悔しいですし、こちらが施主なのにと恨めしく思ったことも何度かありました(笑)。でも、落ち着いてよく考えてみると、確かに私たちのアイデアを採り入れない方が、いいものができそうな気になってきます。実際、暮らし始めてから、あの時ネオジオさんに言われたことがいちいち腑に落ちるようになってきました。やはり"餅は餅屋"ですね。
それに、「ダメ」って言われてその理由を説明されると、この次はいいアイデアを出そうと一生懸命考えるようになるでしょう?建築家と家創りをしたことで、自分たちの感性もいい刺激を受けたと思います。建てる過程を楽しみたいという、私たちの希望はしっかりかなえられたというわけです(笑)。
ただ、建築家と言っても、どのようにしてコンタクトをとればいいのか、また私たちの思いをわかってくれる人をどうやって探せばいいのか、まるでわかりません。そんな時に、岸和田スタジオのイベント『建築家展』を知ることができたのは幸運でした。たくさんの建築家の方の作品を見比べることができ、「こういう家に住みたい」というイメージが、どんどん膨らんできました。そして、岸和田スタジオを通してイメージに近い作品をつくっておられる有限会社ネオジオの建築家さんを紹介してもらい、念願の家創りがスタートしたのです。
打ち合わせには非常に時間がかかりましたし、施工に関しても一切妥協がないため、相当な時間がかかりました。一度などは和室の壁の塗りのタッチが気に入らないからと、すべて塗り直すことをネオジオさんが指示され、私たちまでが「ええっ!」と驚いたこともありました。でも、岸和田スタジオのエンジニアさんは、さすがに建築家との家創りだけを手がけているというだけあって、慌てず騒がず、黙々と塗り直しをされ、こちらもプロだなあと感心しました。
建築家は≪作品≫だという気概をもって臨んでおられるし、施工側は技術面で遅れは取らないというプライドをもって臨んでおられる、いいものを見せていただいたと思います。
おかげさまで、うちの家族は皆、住めば住むほどわが家が好きになってきていますね。春夏秋冬、また昼と夜とでも家の表情が変わって、飽きることがありません。きっとこうなることも、ネオジオさんは計算し尽くしておられたのだと思います。
個性的で、しかも住み心地が良く、飽きが来ない。建物のプロ、建築家とつくるとはまさにこういうことなんだなあと、喜びをかみしめています。
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