建主の夫婦が用意した敷地は宝塚の山手台にある傾斜地でした。
現地へ行くと一般的な平場は少なく半分以上が南側への傾斜となっていましたが、眺望は良好であり、爽やかな風と暖かい陽を感じ取ることができ、この豊かな外部環境を味わえる空間を備えながら傾斜を利用した家を作れないかと思いプランニングを初めました。
建主夫婦からの要望は感覚的に美しい家そして沢山の洋服ストックが欲しいといったシンプルな内容で、収納部を北側と傾斜地内部に埋めこみ、傾斜地表の中腹と頂部そしてその上空と高度の違う3つの外部空間を構成し、それに繋げるように諸室を配置しました。
地中から明るい地表そして上空へ向けて広がり繋がる家は、地面に置かれた果実に自然とつくられる美しい巣のようであり、外部の環境に呼応しながら時間とともに素直に色付く家となりました。
2015.1.8 奥和田 健
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