異なる趣向の樹木を植えたいとのクライアントの要望に対し、
くつろぎの場から左を向けば「庭」、
右を向けば「もう一つの庭」が眺められるよう庭を配置し、
同じ場所に居ながら視線の方向によってそれぞれの庭を愉しめるよう考えた。
2つの庭の狭間に位置するくつろぎの場からは、
庭を同時に眺めることはないが、
「外―内―外」の同一線上に並び、
それらが連なることで内外空間がトンネル状にフレーミングされている。
それにより、ひとつの空間属性が形成され、
住まいの中に一律の「緊張感」と、2つの庭と各々に連なる外部への「開放感」が
相関する効果を与えている。
また、敷地の南側には将来的に高さのある建築物が
建つ可能性があるため、
北東西方向から採光を得る天井スリットを用いて、
くつろぎの場は南方向からの光に頼らない採光計画としている。
そして、前述した空間属性を強めるために、
天井スリット直下の壁を外部に延長し、深めの軒のある縁側を配して、
内外の境界が曖昧に感じられるようにしている。
<dual G>は、この家の主題となった2つの「G =Garden/Ground/Green」を意図している。
建築家:加藤 純 竹内 美穂
撮影:富田 英次
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